ラドンとホルミシス

ラドンとホルミシス

ラドンにおけるホルミシス現象は、ラドンから放たれるα線による放射線の生体影響によって起こります。もし、放射線の影響が直線的であると考えた場合、多くの宇宙飛行士がガンになってしまいます。しかし現実はそうではありません。また、近年NASAで行われている双子研究では、放射線の刺激は普段使われない生理活性を引き起こす可能性を証明しました。この実験は、ラドン療法で起こる治療効果の仕組みを後押しするものとなっています。

ラドン療法を利用する場合、ラドンかトロンかの議論がよく起こりますが、その違いは物理学的半減期と生物学的半減期によって説明ができます。ほぼ同じエネルギー勾配を持つ原子の変化は物理学的半減期の短いトロンの方が一過性には影響力が大きく、一方で半減期の長いラドンでは影響力は弱いが及ぼす時間が長くなります。しかし、ラドンは呼吸によって20〜30分で排泄されてします(生物学的半減期)ので、使用方法に工夫が必要な様です。

ラドン
ウランの核が鉛へと壊変していく過程で生成される貴ガスの1つ。1903年にその存在が確認された。ラドンの名称はキュリー夫人の発見したラジウムに因んで名付けられている。
ラジウム泉
ラジウムとラドンは異なる元素である。ラジウムの原子からヘリウムが放散して原子の質量が小さくなってできた元素がラドンである。ラジウムは鉱物であり、これが溶け込んだ温泉がラジウム泉となる。
ラドン泉・トロン泉
トロンは大きな括りでラドンに含まれる。ラドン泉とトロン泉は混同されてしまうが、厳密にはラドン元素のうち質量の異なるものにトロンがある。どちらも気体で有る。またラドンの核からヘリウムが放散(崩壊)される際に放出されるエネルギーが放射線と呼ばれ、α線として区別されている。これが、水分子をイオン化したり、この時生じる過酸化物などが、身体の細胞や組織に複雑な生化学的作用を及ぼし、各種器管の働きを活発にすると言われている。