ラドンについて
ラドンってなに?
- 世界中に存在するのに観測しにくい元素です。
- ラドン元素が変化する過程で放たれるエネルギーは放射線の1種です。
- 物理学的には活発で、化学的には安定している不思議な気体です。
ラドンの性質は化学的物理学的に分析されています。原子番号86の単原子分子のラドンは、無味無臭、無色の気体①で、ラジウムから放出される天然物質②です。そしてラドン元素は変化を続け、4日弱で異なる元素になってしまいます③。 体内に入った場合、人体には必要のない分子なので、呼吸によって20~30分ほどで排泄されてしまいます④。また、原子番号79の金よりより大きな原子番号を 持つラドンは、原子自体の質量が大きく、空気よりも重い⑤のが特徴とも言えます。さらに興味深いのは沸点が非常に低く高エネルギー状態の分子なので、水中に溶けている場合でも、物理的な刺激が加わったり水温が37~38度以上⑥になると空気中に逃げ始めます。温泉成分としてのラドンにも以上の性質を持ち合わせているので、ラドン温泉の管理には工夫が必要ですね。
- ①貴ガスに分類され、化学的にはヘリウムの様に安定した構造をもつ。
- ②ラジウム(約1600年)→ラドン(約3.8日)→ポロニウム→鉛 の様に変化する。
- ③物理学的半減期と呼ばれ、分子の半量が物理学的構造の変化に要する平均時間。この 変化の過程でエネルギーが放たれ、放射線と表現される(ラドンの場合はα線が放出)。
- ④生物学的半減期という、分子の半量が生体内に留まる平均時間を指す。
- ⑤気体は様々な刺激や温度の変化でゆっくり混ざる。しかし静かな環境下では、ラドンの原子は重いのでゆっくり沈んでいく。
- ⑥ラドンは原子が変化している高エネルギー状態なので刺激に弱く温度の高い(高エネ ネルギー状態)水の中に留まっている事ができない。
- ラドン
- 元素記号:Rn
- 原子番号:86
- 原子量:222.02
- 密度:9.73g/L
- 融 点:-71°C
- 沸 点:-61.8°C