日本のラドン温泉
ラドン温泉・ラジウム温泉・トロン温泉?
- 日本で登録されている温泉全体の約7%がラドン温泉・ラジウム温泉!
- ラドンやトロンはラジウム鉱石から気体として放出されてきます。
- 注目される「湯治」に求められる温泉の役割とは?
昭和23年、日本の温泉は温泉法により整備されました。後に適応や禁忌等が追加される事で療養泉が区別され利用されています。日本に登録されている温泉のうち約7%がラドン・ラジウム温泉に分類され、日本には多くのラドン温泉が点在している事はあまり知られていません。ラドン温泉による療養作用はラドンから微弱に放出される放射線(α線)によるもので(環境省ホームページ参照)、この放射線刺激が薬理作用として働き、療養効果が期待されているのです。
ラジウムは鉱物ですが、ここから放出されるラドンやトロンは気体です。つまりラジウム温泉は鉱物が溶けこみ、ラドン・トロン温泉は気体が溶け込んだ温泉という事になります。前述した欧州のラドン温泉ではラドンの特性を活かす為に、お湯が38度以上に ならない様、また、物理的な刺激を与え無い様、静かに湯船に浸かる指導をしています。日本では「熱めのお湯で掛け流し露天風呂」が好まれる傾向です。ラドンが消えて無くなってしまう訳では有りませんが、決して良い条件では無いようです。
湯治が再注目される昨今、温泉の何に湯治の効果を見出すか注目されています。日本の温泉文化には情緒が大きく関係していますが、温泉と気候は切っても切れない関係にあります。しかし、療養効果を求める事を目的とするならば、温泉成分が果たす役割を深掘りしていく事が、これからの湯治に新たな価値を生み出す事に繋がるのではないでしょうか。